ハーフリンガルは、上顎をリンガル矯正、下顎を普通の矯正で治療する方法です。通常のリンガル矯正よりリーズナブルで、近年人気の矯正歯科治療です。笑っても下の歯は見えにくく、発音や食事への影響が少ないので当院ではハーフリンガル矯正を推奨しています。

前歯の突出感が顕著だったため、上下第一小臼歯を4本抜歯して矯正治療を開始した。装置が人から見えるのは主に上顎で、下顎は唇に隠れて目立たないことが多い。また発音のしやすさを考慮して、上顎は舌側に、下顎は頬側にブラケットを装着するハーフリンガルを選択した。レベリングが終了した後、上顎の口蓋側に2本の矯正用ミニスクリューを植立して上顎前歯部をリトラクションした。上下ともにボーイングエフェクトが起きないように注意した。スペースクローズ終了後、精細な咬合調整とわずかなコンポジットレジン修復により、緊密な咬合と適正な犬歯誘導が確立された。上下前歯部にはボンディングリテーナーを装着した。治療後は上下前歯部の突出感が解消され、Eラインに調和した横顔と自然なスマイルラインが獲得された。